思えば彼らは初めから老成していたのだと思います。
初期の頃の音源を聴いても、とても当時20代そこそこの人間が「やる」音楽ではないです。
いや、言い方が悪い。
当時20代そこそこの人間が「できる」音楽ではない、と改めます。
それは曲にしても、歌詞にしても、音にしても、技術にしても。
あたかもベテランのような、歳を重ねたからこそ纏うことのできる雰囲気を持っていました。
そして時が経ち、メンバー達も歳をとりました。
ようやく年齢が曲に追いついたか・・・
と、呑気に思っていましたがとんでもない。
なんと当時の曲に深みが増しているのです。
と同時に成長した彼等から次々と生み出される至極の楽曲達。
いやマジで「え?どこまで成長するの?」と言いたくなってしまします。
そんなバンド、GRAPEVINEです。
メンバー
田中和将 ボーカル、ギター
西川弘剛 ギター
亀井亨 ドラムス
この3人に金戸覚(ベース)、高野勲(キーボード、ギター)の2人をサポートメンバーとして編成
一筋縄ではいかないメロディライン
GRAPEVINEはメンバー3人が作曲をしています。
どれも素晴らしい曲だらけの中、特に異才を放っているのはドラムス亀井の書く曲です。
ファンの間では亀井節なんて呼ばれていますが・・・。
その亀井節、普通じゃないです。
独特なメロディ進行で、どこか大人びて小難しい反面、どこかポップで聴きやすくもあるという二面性を持っています。
その相反する二面性こそが絶妙なバランスを生み出し、これでもかというほど僕らの胸をえぐります。
初めて聴くようで、どこか懐かしいような。
歌っているようで、どこか泣いているような。
本当に独特なメロディラインだと思います。
尋常じゃないほどクセになります。
ちなみに初期の楽曲「君を待つ間」という曲は、亀井が初めて作曲した曲らしいです。
「う、、嘘だ、、、嘘だと言ってくれ、、、」と言いたくなるレベルです。
日本の誇るメロディメーカー亀井亨、GRAPEVINEに有りです。
進化し、深化し続ける声
GRAPEVINEというバンドにおいて、ボーカル田中の声は変化し続けてきました。
「変わった」のか「変えた」のか。僕は「変えた」ほうだと思います。
田中の声ですが基本クセはあります。そして美しいです。
そして声そのものというより、声の発生の仕方が変わってきたかなと思います。
これはなかなか意識しないとできないかな・・・と僕は思うわけです。
まあそんな前置きは置いておいて、とにかく時代によって声が違うのは確かです。
ただすごいのは、どれも田中の声なんです。
「は?当たり前じゃね?」ときっと思われるでしょうが、よく考えてみてください。
これだけいろんな声の出し方をしていれば「〇〇っぽい」とか「〇〇を意識してるのかぁ」とかあって然るべきじゃないですか。
でも田中の声はいくら変化しても田中の声なんです。
全てが「田中っぽい」のです。
そしていつの時代も田中の声は人を魅了する力を持っていると思います。
艶やかで妖艶です。
もう田中の声に抱かれたいです。(ホモではない)
田中の文学センス溢れる歌詞
さて、歌詞はボーカル田中が書いているわけですが、これまた非常に素晴らしいです。
なんていうか、非常に文学的です。
ただ難しい言葉を使っているわけではなくて、意味はしっかり通る。
かと思いきや、実際はよくわからなかったり。
解釈は人それぞれになるかもしれませんが、何かは感じ取れます。
頭で理解しようとするよりも、感性で感じ取る系の歌詞です。
これってもう文学そのものですよね。
文学は文学でも純文学ですね。
もう曲といい歌詞といい若い頃からこのレベルなんだから驚きですね。
今後更にどこまで成長していくのか楽しみです。
リスナーも成長する!?
補足程度として。
成長という程でもないですが、GRAPEVINEの楽曲を聴くにあたってありがちな現象をご紹介します。
例えば僕はGRAPEVINEの曲全てが好きなわけではありません。
むしろ全然好きじゃない曲も結構あります。
ここまで語ってきておいてなんですけど、実はそうなんです。
しかし、GRAPEVINEの魅力として、今日好きじゃない曲でも明日好きになるかもしれないといったことがあります。
僕はどちらかといえばそのように徐々にGRAPEVINEのことを好きになっていきました。
「スルメ」とよく言いますがまさにそれです。
噛めば噛むほどです。噛まなくても置いておけば美味しくなったりもします。
ただ、美味しい瞬間は急に来ます。
1度好きになれば嫌いになることはないので安心してください。
ホントおもしろいバンドです。
GRAPEVINE好きにオススメのアーティスト
僕の経験上、GRAPEVINE好きが他に好きだったor好きそうなアーティストを紹介します。
- 基本的に現在も活動中のアーティスト
- 紹介アーティストのメンバーが他に所属しているアーティストは省略
- このブログで紹介したアーティスト、アーティストの性質上どうしても必要な場合などはその限りではない
Ao
bacho
moke(s)
THE NOVEMBERS
polly
さよならポエジー
真空ホロウ
ベランダ
もし知らないアーティストがいたら是非聴いてみてください!
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