日本のロックの歴史はたいして長いものではないかもしれません。
それでも「好きになったバンドはもう解散していた」なんてことはよくある話で、かくいう僕もこんなよくある話は幾度となく経験してきました。
でもよくある話の割には、解散してから世間的に注目されることってほとんど無いですよね。
死後数十年経ってから絵が評価される画家がいるように、解散してから評価されるバンドがいてもいいと思いますが。
中にはそれ程多くの音源を残さずに解散してしまったバンドもいたりするわけで、そしてそれがとんでもない名盤だったりもします。
「もったいない」っていう言葉はちょっと違くて、、、なんか「もったいない」ってすごく上からの言葉に聞こえますよね。
誰に対して言うべきなのかわからないんです。
だから単純に「もっと聴きたかった」っていうのが正しいのかな。
、、、と、セツナブルースターを聴きながら感じているのがまさに今です。
厳密に言えばセツナブルースターは解散していません。活動休止中です。
でもまぁ長いこと活動していないので同じようなことが言えますよね。
いやー、ホントにいいバンドなんだけどなぁ。
僕の周りの人間は誰も知らないですね。まぁ、世代的なものもあるでしょうが。
当時のライブハウス界隈では有名だったのかなー。
このレベルのバンドが無かったように扱われるなんて僕には我慢できません。
というわけで、今回はセツナブルースターについて紹介させていただきます。
メンバー
倉島大輔 ボーカル、ギター
島田賢司 ベース
宮下裕報 ドラムス
2008年~無期限活動休止
2017年と2018年にライブ出演したという情報があるので、ちょこちょこ活動はしてるっぽいです
バンド名に騙される、スリリングなバンドサウンド
「セツナブルースター」というバンド名を聴いて、なんとなく拒否反応を起こす人がいるかもしれません。
、、、気持ちはわかります。笑
「セツナ系R&B」とか流行ってましたからね。今も流行ってるのかな。
まぁとにかくバンド名の由来はわかりませんが、この「セツナ」から何となく「俺たちの好きな音楽とは関係ねーぜ☆」みたいなことが連想されてしまいます。
でもいいです。
その感じのまま聴いてほしい。
度肝抜かれますよ。
確かに切ない感じの曲は多いですが、セツナ系のそれとはベクトルが違います。
「!?」ってなりますよ。
その言葉、曲、フレーズのひとつひとつが素晴らしいです。
激情とセンチメンタルがヒリヒリ刺さります。
実は僕がセツナブルースターを知ったのも「!?」が関係します。
昔ニコニコ動画で「『!?』ってなる展開の曲プレイリスト」みたいな動画がありました。
その中にセツナブルースターの「みんなの歌」という曲がありました。
しかも1曲目だったかもしれないです。
マジで「!?」ってなりました。
ちなみにその動画には他に、アジカンの「センスレス」やBURGER NUDSの「AM 4:00」がありました。
他はあんまり覚えてませんが、かなりいい動画でしたね。
そういえばBURGER NUDSとの出会いもこの動画だったような、、、。
とにかくセツナブルースターの音楽は繊細で激しくそして非常にスリリングです。
活動再開をいつもでも待ってます。
非量産型、圧倒的ソングライティングセンス
上で書いた「!?」は音だけではなかなか感じることができないですよね。
つまり曲も良くなくちゃそうはならないのです。
倉島大輔の生み出す曲はどれもセンスエグイです。
メロディラインそのものにしても、曲の構成にしても、聴く人を飽きさせません。
それどころかグイグイ押し寄せてきます。音の波が。
なんていうか、やっぱり切なさを感じるんですよ。
言葉で無理矢理押し付けられるヤツじゃなくて。
音が、曲が心に直接語りかける感じ。
いや、えぐられる感じですね。
目からではなく、心で涙を流せそうです。
それはゆっくりな曲だけではありません。
焦燥感溢れるゴリゴリの曲を聴いた後も、なんか心が洗われた気分になります。
マジでセンスの塊ですね。
そして曲の雰囲気とバンド全体の音がこれまた見事にマッチしてるんですよね。
素晴らしすぎます。
独特の世界観を生み出す歌詞
セツナブルースターの独特の世界観に大きく影響を与えているのは歌詞だと思います。
彼らの歌からは「若者が辿り着いたひとつの正義」みたいなものを感じます。
とはいっても「大人ふざけんな!」とか「歳なんかとりたくないぜ!」的なものではありません。
「僕はこう思います」というような感じです。
それ以上でも以下でもなくそれで終わりなのです。
でもそれがいいのです。
本人も「共感してほしいとは思っていない」と言っているので。
さらに「とにかく悶々とした自分の中から出てくるものを、ぐちゃぐちゃに敷き詰めるような歌の書き方をしている」とも言っています。
僕はこれぞ本当の歌の在り方だと思っています。
一番リアルに感情が伝わると思うんですよね。
あとは聴き手それぞれの解釈に委ねられるわけです。
落した片目で 見ることの出来た未来は
みんなの歌
ポケットの中に仕舞い込んだ ポケットの中の景色でした
僕らの目から見える世界なんて そんなちっぽけな物なのだから
僕らはそれを切り開くためにナイフを探す
だけどそれを切り開くことの出来る物は少なく
皮肉にもその弱さ故に明日は守られてる
でも星たちは戦争が起こることを いつも事前に知ってる
その中で僕らは何を自分と呼べばいいのか
このレベルの歌詞を20歳、下手したら当時19歳とかの人間が書いてますからね。
他にもたくさんあるんですが、紹介していくとキリがないのでこれひとつにしておきます。
とにかく倉島大輔の書く歌詞は、「若者の持つエネルギー!」っていう前面に押し出した感じではなく、静かに燃え上がる「内に秘められる感情の爆発」が感じられる歌詞ですね。
そしてどこか文学的でもある。
いやー、素晴らしい!!
セツナブルースター好きにオススメのアーティスト
僕の経験上、セツナブルースター好きが他に好きだったor好きそうなアーティストを紹介します。
- 基本的に現在も活動中のアーティスト
- 紹介アーティストのメンバーが他に所属しているアーティストは省略
- このブログで紹介したアーティスト、アーティストの性質上どうしても必要な場合などはその限りではない
bacho
LOSTAGE
moke(s)
カッパマイナス
さユり
ベランダ
もし知らないアーティストがいたら是非聴いてみてください!!
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